松柏社

松柏社

図書出版の松柏社

ようこそゲストさん

即興文学のつくり方

(著者)阿部公彦  

即興文学のつくり方
判型 四六判上製
ページ 245ページ
価格 2,400円(税別)
ISBN 978-4-7754-0062-3
Cコード
略号
発売日 2004年6月1日

当サイトより注文希望の方はログインをお願いします

オンライン書店で購入する

  • 楽天で購入
  • セブンネットで購入
  • 紀伊國屋で購入
  • e-honで購入
  • hontoで購入
解説

舞台芸術などに見え隠れする「即興」とは文学にも見て取れるのではないか。このテーマを中心に据えながら、小島信夫の『うるわしき日々』、C・トムリンソンと大岡信の間で交わされた連詩、T・S・エリオットの『荒地』、蓮實重彦と村上春樹の文体等を扱う。

目次

序章 即興と、そうではないもの
◎ 即興型と蓄積型 ◎ 漱石の笑い ◎ 八百屋の英語教育
第一章 即興の二十一世紀──不可視なる野球、ジャンプする小島信夫
◎ ふたつの見えない足 ◎ 不可視なるスポーツ、野球 ◎ 躍動する小島信夫の身体
第二章 共同する即興──チャールズ・トムリンソン、連詩の順番をまちがえる!?
◎ 連詩とロマン主義 ◎ 事件発生 ◎ あいさつの方法 ◎ 黄昏の系譜 ◎ 連詩の虚と実
第三章 世紀末 即興神話──サロメとモダンダンスの曲線
◎ モダンダンスの即興神話 ◎ 突然ダンサーになったロイ・フラー◎ 『サロメ』が偶然書かれたわけ ◎ ワイルドとロマン主義 ◎ 即興の巧妙なる罠
第四章 即興という魔物──ひとりになりたいエリオット
◎ なぜ『荒地』を書いたのは女ではなかったのか? ◎ 神経という真実 ◎ うまくひとりになるための『四つの四重奏』
第五章 七〇年代の即興──村上春樹と蓮實重彦と「点(てん)」の問題
◎ 六〇年代VS七〇年代 ◎ 村上春樹の「はい、終わり」の意味 ◎ 蓮實重彦のニセ即興 ◎ メランコリーの句読点
第六章 即興とアメリカ──イカルスを読むブリューゲルを読むオーデンとウィリアムズ
◎ 思わず呼吸するオーデン ◎ 眩しいウィリアムズ ◎ アメリカ的即興神話

引用文献/あとがき/索引

メディアほか関連情報

■ 「アメリカ文学研究」2005年No.42号に掲載されました

~研究書にはつい重厚なものを求めたがる研究者の性質からすれば、本書は全体として散発的な印象を受けるかもしれないが、ここはむしろ著者の俊敏な精神の運動を愛でるべきだろう。その俊敏さに誘発されて、きっと読者はここに提示されているものよりも多くのことを夢想したくなるはずだ。(中略) 阿部公彦の『即興文学のつくり方』は、類書の存在しないところに、すべて自前で道具立てを揃えようとした勇気ある試みである。「何もない空間」に一つのフィギュアを描こうとしたその方向性は、大いに賞賛されていい。~同書評より (若島 正 氏)

 

■ 「英語青年」2004年10月号に掲載されました

~問いに対して、微妙に巧妙に、はぐらかしながらも、答えていないというわけではない。逸脱しそうでそうはならない。即興を巡る議論を、まさに即興的に、強引に私たちを引き込むように進めている。即興について考えながら、対象の選択にも書き方にも即興的なところがあるのだ。(中略)大雑把な言い方になるが、この著者は、やはり英米文学的素養をもつ小島信夫や村上春樹がそうである程度には、西欧的高級さへのコンプレックスからふっきれている。そして、この国ではどこまで理解されているのかわからないロマン主義対20世紀の構図に対して、ゲームを仕掛ける余裕があるのだ。~同書評より(福間健二 氏)

 

■ 「出版ニュース」2004年8月号に掲載されました

~ミュージシャンの即興演奏、役者の即興演技というが、では即興文学、というものはあるのか。そこで、英米文学研究者である著者が文学ならではの即興性を探る。~同書評より

著者紹介
  • 阿部公彦

    1966年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。東京大学卒業。東京大学大学院修士課程、ケンブリッジ大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。現代英米詩専攻。著書に『モダンの近似値──スティーヴンズ・大江・アヴァンギャルド』『即興文学のつくり方』(松柏社)、『名作をいじる──「らくがき式」で読む最初の1ページ』(立東舎)、『英詩のわかり方』(研究社)、『文学を〈凝視する〉』(サントリー学芸賞受賞、岩波書店)、『幼さという戦略──「かわいい」と成熟の物語作法』(朝日新聞出版)、『史上最悪の英語政策─ウソだらけの「4技能」看板』(ひつじ書房)、『理想のリスニング──「人間的モヤモヤ」を聞きとる英語の世界』(東京大学出版会)、東京大学文学部広報委員会編『ことばの危機──大学入試改革・教育政策を問う 』(分担執筆、集英社新書)、訳書に『フランク・オコナー短篇集』(岩波文庫)、ダイナ・フリード『ひと皿の小説案内』(監修・翻訳、マール社)。

関連書籍
  • 英文学の内なる外部/ポストコロニアリズムと文化の混淆

  • フォークナー 第6号/特集「フォークナーと短編小説」

  • T・S・エリオット 文学批評選集/形而上詩人達からドライデンまで

  • エミリ・ディキンスン詩集

  • モダンの近似値/スティーヴンズ・大江・アヴァンギャルド

  • 詩人と新しい哲学/ジョン・ダンを考える

  • T.S.エリオット クラーク講演

  • しみじみ読むイギリス・アイルランド文学/現代文学短編作品集

  • フォークナー 第10号/特集 フォークナーとエスニシティ

  • ロレンスへの旅

  • テンとマルの話/句読点の落とし物/日本語の落とし物 【改訂増補版】

  • 詩的言語のアスペクツ/ロマン派を超えて

  • 詩について/アンドルー・マーヴェルから

  • フォークナー 第20号

  • フォークナーと日本文学