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モダンの近似値/スティーヴンズ・大江・アヴァンギャルド

(著者)阿部公彦  

モダンの近似値/スティーヴンズ・大江・アヴァンギャルド
判型 四六判上製
ページ 438ページ
価格 3,000円(税別)
ISBN 978-4-88198-949-4
Cコード
略号
発売日 2001年3月1日

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解説

文学テキストに潜む「退屈」「不機嫌」「単調」といった、否定的なものと見られがちな部分にスポットをあて、実はこうしたものこそが、20世紀の広い文化領域において決定的なモチーフとなったのだと主張。扱うのはT・S・エリオットから夏目漱石まで幅広い。

目次

序 文学の営業

第Ⅰ部 近さ
第1章 「近さ」とモダニズム ウォレス・スティーヴンズの遠近法
第2章 ご機嫌の悪い詩人はお愛想のネットワークを拒絶する アフォリズムとスティーヴンズの「退屈」
第3章 「近さ」の事件 大江健三郎と距離の方法

第Ⅱ部 縦と横
第4章 グリッド=根拠か? 絵画と文学の前線で
第5章 行(ぎょう)の問題 日本現代詩の制度性

第Ⅲ部 折々の営業
第6章 横光と漱石と白鳥の「胃」
第7章 テッド・ヒューズの「呼びかけ」

第Ⅳ部 根本的な問い
第8章 ジェーン・オースティンの小説は本当におもしろいのか、という微妙な問題について

引用文献一覧
あとがき
索引

メディアほか関連情報

■『讀賣新聞』2001年4月8日(日曜日)に紹介が掲載されました

(略)文学の20世紀は批評の時代だった。わけても後半の五十年、欧米の文壇でのことにすぎなかったとはいえない。教科書を作る人々にも影響は確実に及んだのだ。批評の時代を準備したのは前半五十年。詩における巨匠が続出したモダンの時代である。なかでもW・スティーヴンズは決定的に重要な一人、その詩が批評を豊穣にした米国の詩人だ。批評の時代に影響を受けたものは批評の時代に影響を与えたものにこそ影響を受けねばならぬのではないか。そんな詩人を読み解き、余勢を駆って、大江健三郎、横光利一、日本現代詩に話題が及ぶ本書を、批評の本格の登場と称揚したい。──千石英世(文芸評論家)

著者紹介
  • 阿部公彦

    1966年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。東京大学卒業。東京大学大学院修士課程、ケンブリッジ大学大学院博士課程修了(Ph.D.)。現代英米詩専攻。著書に『モダンの近似値──スティーヴンズ・大江・アヴァンギャルド』『即興文学のつくり方』(松柏社)、『名作をいじる──「らくがき式」で読む最初の1ページ』(立東舎)、『英詩のわかり方』(研究社)、『文学を〈凝視する〉』(サントリー学芸賞受賞、岩波書店)、『幼さという戦略──「かわいい」と成熟の物語作法』(朝日新聞出版)、『史上最悪の英語政策─ウソだらけの「4技能」看板』(ひつじ書房)、『理想のリスニング──「人間的モヤモヤ」を聞きとる英語の世界』(東京大学出版会)、東京大学文学部広報委員会編『ことばの危機──大学入試改革・教育政策を問う 』(分担執筆、集英社新書)、訳書に『フランク・オコナー短篇集』(岩波文庫)、ダイナ・フリード『ひと皿の小説案内』(監修・翻訳、マール社)。

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