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英文学の内なる外部/ポストコロニアリズムと文化の混淆

(編著)山崎弘行  

解説

「ポストコロニアリズム」と「ハイブリディティ」をキーワードに据えて、この装置の中で「異文化」や「他者」がどのように表象されたのかという問題を多角的に捉えた論文集。その射程は、シェイクスピア等の「正典」、キプリング等の大衆作家、ファレルのような現代作家にまで及ぶ。

目次

序説●山崎弘行
ウィリアム・シェイクスピア〔1564-1616〕──『テンペスト』にみるポストコロニアリズム的な修辞戦略●中村裕英
ロマン派詩人(ウィリアム・ブレイク〔1757-1827〕/P・B・シェリー〔1792-1822〕/ジョン・キーツ〔1795-1821〕)──オリエントとしてのエジプトと英国ロマン派詩人●岡田和也
トマス・モア〔1779-1852〕──『ララ・ルーク』あるいは機能不全装置としての空想の東方●河野賢司
オスカー・ワイルド〔1854-1900〕──隠喩としての階級とドリアン・グレイの消された父●道木一弘
ライダー・ハガード〔1856-1925〕──植民地冒険小説における他者の表象●吉本和弘
ジョウゼフ・コンラッド〔1857-1924〕──『闇の奥』に交錯する二つの声●吉本和弘
ラドヤード・キプリング〔1865-1936〕──帝国の支配とハイブリディティ●吉本和弘
W・B・イェイツ〔1865-1939〕──アイルランド文化の混交性について●山崎弘行
ジェイムズ・ジョイス〔1882-1941〕──ポストコロニアル小説としての『ユリシーズ』●高橋 渡
T・S・エリオット〔1888-1965〕──仮面の下から漏れ出るインドの閃光●池下幹彦
ウィリアム・ゴールディング〔1911-93〕──啓蒙主義思想と秩序意識との葛藤●山崎弘行
J・G・ファレル〔1935-79〕──『クリシュナプールの籠城戦』あるいは籠城する帝国●板倉厳一郎

参考文献
索引

掲載情報

■ 英語年鑑2005年版に掲載されました。

~山崎弘行編著『英文学の内なる外部─ポストコロニアリズムと文化の混交』(松柏杜、'03.3)は編著者を含め9人の執筆者による12篇の論文集である。旧宗主国としてのイギリスの内部にありながら、旧植民地という外部の中にイギリスへの反逆性の存在を見て取った作家や詩人たちを論じたものである。その中、イギリス詩人関係は4篇が収められている。 ~同書 羽矢謙一 氏「イギリス詩の研究」より

■書評が掲載されました

本書は、英文学の正典を形づくってきた作家や作品を堂々と対象に選び果敢にポストコロニアル批評を実行した論集として注目に値する。待望の実践の書といえよう。(玉井暲=大阪大学教授・英文学専攻)

著者紹介
  • 山崎弘行

    大阪市立大学名誉教授。著書に『イェイツとオリエンタリズム―─解釈学的立場から』(近代文芸社)、『イェイツ―─決定不可能性の詩人』(山口書店)、『都市と故郷のフィクション』〈知の対流 II〉(共編著、清文堂)、『英文学の内なる外部──ポストコロニアリズムと文化の混交』(編著、松柏社)。

関連書籍
  • ラドヤード・キプリング/作品と批評

  • 魔術師の遍歴/ジョン・ファウルズを読む

  • オスカー・ワイルドの生涯

  • ポストコロニアル理論入門

  • もうひとりのキプリング/表象のテクスト

  • 青い薔薇/キプリングとインド

  • 一九世紀「英国」小説の展開

  • 詩的言語のアスペクツ/ロマン派を超えて

  • 二〇世紀「英国」小説の展開