より良い外国語学習法を求めて/外国語学習成功者の研究
(著者)竹内理
判型 | 四六判 |
ページ | 312ページ |
価格 | 2,500円(税別) |
ISBN | 978-4-7754-0052-4 |
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発売日 | 2003年12月1日 |
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- 解説
外国語学習成功者はどのような学習方法を使って学んだのか。本書はこのテーマを追及した筆者による一連の研究を、質的アプローチを前面に出してまとめた研究書。質的研究の他に、文献レビューや筆者による量的研究、網羅的な文献一覧も掲載。2004年度大学英語教育学会(JACET)学術賞受賞。
- 目次
はじめに
第1章 ハンガリー人の教授
1.1 ハンガリー人の教授 1.2 驚くべき結末 1.3 カトー・ロンブの学習記録が語るもの 1.4 関口在男の学習記録が語るもの 1.5 学習成功者の研究へ
第2章 12才では遅すぎるのか
2.1 臨界期とは 2.2 臨界期仮説を支えるデータ 2.3 臨界期はなぜ生じるのか 2.4 反証の存在:臨界期は絶対か 2.5 開始年齢以外の要因
第3章 学習方略とは何か
3.1 方略の定義 3.2 方略は教えることができるのか 3.3 データを誰から集めるのか
第4章 先行研究の示すもの
4.1 先行研究の範囲 4.2 Nida (1957) の研究 4.3 Rubin (1975) の研究 4.4 Stern (1975) の研究 4.5 Naiman et.al. (1978) の研究 4.6 Rubin & Thompson (1982) の研究 4.7 O'Malley & Chamot (1990) の研究 4.8 Oxford (1990a) の研究 4.9 Cohen (1998) の研究 4.10 学習者変数と環境変数の影響 4.11 まとめ
第5章 大学生の学習記録が語るもの
5.1 質問紙 SILL の問題点 5.2 日本人大学生の学習記録:目的と方法 5.3 日本人大学生の学習記録:結果と解釈 5.4 まとめ
第6章 達人たちとのインタビューが語るもの
6.1 「達人」とは 6.2 被験者とデータ収集・分析の方法 6.3 達人たちとのインタビュー:結果と解釈 6.4 まとめ
第7章 成功者の著した書籍が語るもの
7.1 成功者の著した書籍 7.2 データ収集・分析の方法 7.3 成功者の著した書籍:結果と解釈 7.4 まとめ
第8章 理論や実証データとの整合性
8.1 背後にある理由をさぐる 8.2 使用機会の増大と一段上の言語使用の必要性 8.3 「深く聞く」ことの大切さ 8.4 「意味を聞く」ことの大切さ 8.5 音読や音声化の有効性 8.6 行動主義的な基盤形成の重要性 8.7 「流暢さ」と「正確さ」のトレード・オフ 8.8 発音・韻律への強いこだわり 8.9 多重経路と手がかりの大切さ 8.10 意識化の必要性 8.11 まとめ
第9章 成功につながる学習法とは
9.1 個人差と共通性 9.2 メタ認知方略では 9.3 スキル別の方略では:リスニングとリーディング 9.4 スキル別の方略では:スピーキングと発音・韻律 9.5 スキル別の方略では:ボキャブラリー 9.6 スキル別の方略では:ライティングと文法 9.7 スキル別の方略では:おわりにかえて:外国語学習に王道はあるのか
第10章 量的アプローチによる研究
10.1 量的アプローチからの眺め 10.2 量的アプローチによる研究:その目的 10.3 研究1(被験者/方法/結果と解釈) 10.4 研究2(被験者/方法/結果と解釈) 10.5 研究3(被験者/方法/結果と解釈) 10.6 研究4(被験者/方法/結果と解釈) 10.7 研究5(被験者/方法/結果/解釈) 10.8 研究6(被験者/方法/結果と解釈) 10.9 まとめ
付録(1. SILL for ESL/EFL[Ver.7.0] 2. 読解方略に関する質問紙)
参考文献
初出一覧
索引(英語)
索引(日本語)- メディアほか関連情報
■ 英語年鑑2005年版に掲載されました。
~個人の研究者による研究書として竹内理著『より良い外国語学習法を求めて-外国語学習成功者の研究』(松柏社)は注目すべき業績である。タイトルのテーマを追ってなされた10年に及ぶ一連の研究をこのようにまとめて示すことはそれだけでも困難を伴う作業である。加えて、堅実な手法で綿密に課題に取り組み結果を示している研究方法も参考になる点を多く含む。~同書 米山朝二 氏「英語教育の研究」より
■ 「英語教育」2004年4月号(Vol.53)に掲載されました。
~限られた紙幅で評するのが大変不遜に感じられるほどの良書である。本書から得られる知見はもちろんのこと、著者の学者としての真摯な姿勢、研究への取り組み方、方法論の面などからも学ぶことが大変多い。その意味で、これから卒論、修論、博論をめざす学生、そして、すでに研究者としての道を歩んでいる人にもぜひ熟読を勧めたい。~同書評より (富山 真知子 氏=国際基督教大学教授)
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