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文学的アメリカの闘い/多文化主義のポリティクス

(編著)原川恭一  並木信明  

解説

クーパー、フレドリック・ダグラスからフォークナー、ピンチョン、モリスンなどの19世紀から20世紀にいたる作家を扱い、アメリカの歴史を築いてきた人種・民族・ジェンダー・自然をめぐるさまざまな〈闘い〉を多面的に考察し、新たな視点を模索する論集。

目次



Ⅰ 人種と民族
1 <身体>の復権を求めて──バーナード・マラマッドの『修理屋』にみる闘い 坂野明子
2 踊る女たち/撃つ男たち──トニ・モリスン『パラダイス』の戦争と平和 藤平育子
3 アメリカの歴史と黒人の闘い──フレデリック・ダグラスの『奴隷体験記』 高階悟
4 『モヒカン族の最後の者』にみる「闘い」の意味──クーパーによるアメリカ創世の物語 小野雅子
Ⅱ 現代社会と人間
5 抑圧との闘いと〈小説崩壊〉の関係──トマス・ピンチョンの『重力の虹』 高田修平
6 五〇年代インヴェージョン・ナラティヴの敵──ロバート・A・ハインラインの『人形使い』と『宇宙の戦士』 鬼塚大輔
Ⅲ ジェンダーの闘い
7 教授と女子学生の権力ゲーム──デイヴィッド・マメットの『オレアナ』を読む 並木信明
8 男性性の証明というパラドックス──ウィリアム・フォークナーの『兵士の報酬』 本間章郎
9 ロマンスの終焉と父権的秩序空間におけるジェンダー──ホーソーンの『大理石の牧神』 佐々木英哲
Ⅳ 戦争と人間
10 アメリカ神話の復活──ノーマン・メイラーの『裸者と死者』 酒井喜和子
11 奴隷制の終焉と黒人の葛藤──ウィリアム・フォークナーの『征服されざる人びと』 新井透
Ⅴ 自然との闘い、その他
12 <自然と人間>の調和と闘い──スタインベック『知られざる神に』というネイチャーライティング 金谷優子
13 フォークナーの血をめぐる闘い──『響きと怒り』と『死の床に横たわりて』を中心に 並木信明
14 フォークナーへの挑戦──エリザベス・スペンサーの《マリリー三部作》を中心に 原川恭一

 

メディアほか関連情報
著者紹介
  • 原川恭一

    (1936-2018)埼玉県生まれ。立教大学名誉教授、元立教大学硬式野球部長。立教大学文学部英文科卒業、同大学院修士課程修了。専門はアメリカ文学。著書に『魔神の歌』(表現社)、翻訳にマルカム・カウリー編著『フォークナーと私──書簡と追憶 1944-1962』(共訳、冨山房)、『フォークナー全集2 兵士の報酬』(冨山房)、ジョン・B・カレン著/フロイド・C・ワトキンズ補筆『フォークナー文学の背景』(興文社)など。

  • 並木信明

    1948年、東京都生まれ。専修大学名誉教授。立教大学大学院博士課程後期英米文学専攻単位満了退学。専門はアメリカ文学(20世紀小説)、情報教育。共編書に『文学的アメリカの闘い──多文化主義のポリティ』(松柏社)。

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