アメリカ文学史
(著者)平石貴樹

判型 | A五判上製・函入り |
ページ | 597ページ |
価格 | 6,800円(税別) |
ISBN | 978-4-7754-0170-5 |
Cコード | |
略号 | |
発売日 | 2010年11月20日 |
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- 解説
「近代的自我」の変遷を導きの糸として、アメリカ文学の見取り図を描き、「文学史とは何か」「小説の評価とは何か」を問うた書き下ろし1500枚。伝統の形成、アメリカン・ルネッサンスの隆盛、近代小説の展開、モダニズムの文学、戦後文学までの5部構成。
- 目次
序文
第 I 部 伝統の形成──自我の原風景
第一章 ピューリタニズムからフランクリンへ
第二章 クーパーと「正義の暴力」の伝統
第三章 「感傷小説」と「ゴシック小説」
第四章 エマソンとキリスト教の展開
第 II 部 アメリカン・ルネッサンスの隆盛──自我をうたう/うたがう
第五章 ポーと精神分析批評
第六章 ホーソーンと「ロマンス」というジャンル
第七章 メルヴィルと近代(文学)批判
第八章 ホイットマンとディキンソン
第九章 南北戦争、ストウとオールコット
第 III 部 近代小説の展開──自我がためされる
第一〇章 ハウエルズ、ジュエットと近代小説の成立
第一一章 トウェインと個人主義の夢
第一二章 ジェイムズ、ウォートンと近代小説の完成
第一三章 ショパン、ドライサーと自然主義の時代
第 IV 部 モダニズムの文学──自我がゆらぐ
第一四章 フィッツジェラルドとモダニズムの人間像
第一五章 モダニズムの詩人たち
第一六章 スタイン、ヘミングウェイと「時間」の主題
第一七章 フォークナーと自己批判のモダニズム
第一八章 大衆の時代としての一九三〇年代
第一九章 演劇が文学だったころ
第 V 部 戦後文学──自我をつくろう
第二〇章 混乱の五〇年代と「ビート世代」
第二一章 家族小説(1)──南部小説
第二二章 家族小説(2)──人種系文学
第二三章 ポストモダニズム小説
第二四章 アメリカ小説の現在
アメリカ人名索引- メディアほか関連情報
■ 「アメリカ文学研究」no.48 2011に掲載されました
ここに記されたものは文学史の枠組みをはるかにこえて、小説というジャンルをめぐって紡ぎあげられた壮大な意識の産物であった。(高橋 勤 九州大学)
■ 「英語年鑑」2012年版に掲載されました
評者が注目したのは、(中略)女性作家から「女性」(ジェンダー)を解放し、「近代自我」の変遷と「小説」の基軸で彼らの作品を検証する試みが新鮮だった点である。(別府惠子 神戸女学院名誉教授)
■ 「英語年鑑」2012年版に掲載されました
本書は小説を中心とする文学史だが、第八章ではホイットマンとディキンソンを、第一五章ではモダニズムの詩人たちを、また、ビート世代を採り上げる第二〇章ではギンズバーグを、アメリカの文学史の中に位置づけつつ、そして、そこに著者が展開する「近代的自我」をめぐる見解に即して論じている。(長畑明利 名古屋大学)
■ 「文芸年鑑」平成23年度版に掲載されました
近代的自我の変遷を参照枠に近代小説の歴史を辿る平石文学史が説得性を持つ根拠の一つはアメリカが「近代の実験場」だったことにあるが、それは本書を近代国家の典型としてのアメリカの文学を例に「小説とは何か」という根本的な問題に一つの解答を与えようとした試みにもしている。(諏訪部浩一 東京大学)
■ 「web英語青年」2011年5月号に掲載されました
アメリカ文学は、永遠の「新興芸術派」ということになる。なぜそうなったのか、本書はそれらを解き明かそうとしているようだ。そして、本書は「かれら」の「国文学史」ではなく、われらの「アメリカ文学史」として解き明かそうとしている。(千石英世 立教大学)
■ 「みすず」2011年1・2月号に掲載されました
(前略)ただし普通の教科書的文学史から鮮やかに一線を画しているのは、小説の可能性に対するしなやかで透徹した著者のまなざしのおかげだろう。(沼野充義)
■ 「図書新聞」2011年3月5日に掲載されました
~その話術は驚くべき柔軟性を帯びて「文学史」のステレオタイプを軽々と飛び越え、時に毒舌、時に抱腹絶倒、さらにまた、時に涙を誘いつつ、読者をぐいと引き込んでいく。(長岡真吾)
■ 「読売新聞」2011年2月13日に掲載されました
アメリカ合衆国という巨大な世界で数百年にわたって書かれてきた文学を、丸のまま一人でつかみ取ることは可能だろうか。できる、と平石は答える。(都甲幸治 早稲田大学准教授)
■ 「図書新聞」2011年1月22日に掲載されました
「図書新聞」2011年1月22日に亀井俊介氏と平石貴樹氏の対談「『アメリカ文学史』刊行によせて」が掲載されました。
■ 「週刊読書人」2011年1月14日に掲載されました
~いわば自分の知識と見識を賭けて全体を再構成し、アメリカ文学の成り立ちと仕組みを一挙に説いて見せようとする。だから迫力がある。(中略)本書は全体を一冊に引き締め、文学史が実は批評のあらゆる要素を盛り込んだ創造的な仕事であることを見事に証明している。(亀井俊介 東京大学名誉教授)
■ 「産経新聞」2010年12月19日に掲載されました
レイモンド・カーヴァーやチャールズ・ブコウスキーらを扱った最終章を締めくくるのが、村上春樹というのも面白い。『ノルウェイの森』をポストモダニズム下のリアリズム小説日本版ととらえ、米の現代小説と比較している。
■ 「東京新聞」2010年12月5日に掲載されました
本書は正攻法を取り、時系列に沿って二十世紀末までを主要作家中心に書ききっている。直球勝負のような題名もそれを表しているし、注も参考文献も年 譜もないことからは、気を散らすことなくアメリカ文学史の流れを跡づけようとする強い気概が感じられる。(飯野友幸 上智大教授)
■ 「朝日新聞」2010年12月5日に掲載されました
アメリカ文学の歴史を振り返ることで「小説とは何か」という問いに答えようとする野心作『アメリカ文学史』(平石貴樹著、松柏社)が刊行された。
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